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メガネのかしこい買い方ワンポイントアドバイス
当協議会には、各地の消費者センターから、メガネ広告に関することの他に、メガネ全般のトラブルについて、お問い合わせやご相談をいただいております。これらのトラブルは、当協議会会員のお店ではありませんが、最近の相談事例をご紹介し、当協議会のアドバイスをつけ加えました。メガネをお買いになる際にお役立てください。
メガネ店選びのポイント (11月05日)
メガネは、視力の低下、目の疲労、まぶしさからの予防と目的はさまざまですが、最近はファッションアイテムとしても、多くの方々に楽しく愛用されています。視力が補正され、生活が楽しくなれば、納得されることでしょう。
 
■気軽にコミュニケーションのとれる店
メガネ店は、お客様のお仕事、趣味、日常生活などをお聞きして、メガネの使用目的を的確に把握して、メガネをご提供しております。気軽にコミュニケーションがとれるメガネ店をお選びください。
 
■信頼できる眼鏡技術者のいる店
メガネフレームは、ファッション性、機能性など素材や掛け心地を確かめてください。最近のレンズは、機能的に多種類に及び、どれを選んだらようか迷うことでしょう。メガネ作りの確かな技術を持つ信頼できる眼鏡技術者のいるメガネ店をお選びください。
 
■アフターサービスが万全な店
メガネは、毎日掛けるものです、掛け心地が悪くなったり、修理が必要なことも出てきます。アフターサービスが万全なメガネ店をお選びください。
 
■眼鏡公正取引協議会会員の店
眼鏡公正取引協議会は、公正取引委員会認定の公正競争規約にもとづいて、消費者の皆さんに安心してメガネをお買い求めいただけるように、メガネの価格や原産国などについて、店頭や広告などで適正表示を推進しております。メガネのご購入は、規約を守る会員店をお勧めします。
遠近両用メガネの売り方に疑問 (08月06日)
【相談内容】「遠近両用メガネセット○○円」というチラシを見てメガネ店に行ったら「セットのレンズは少し歪んで見えるが、この上のランクのレンズは10,000円のプラスとなるけれども歪まない」と言われた。マス目の図を見せられたが、二つのレンズの違いがよく分かった。それを見たらセットのレンズは買う気にはなれない。そういう売り方はおかしいと思う。
 
【アドバイス】遠近両用メガネは、遠方から近方まで境目なくスムースにクリアーに見ることができる便利なメガネです。レンズの上方が遠用部、中間の度数が変化していく所が累進部、その下方が近用部です。その累進多焦点レンズの最大の欠点は異なる度数を一枚のレンズで得るために生じる弊害としての「像のユレや歪み」があることです。これまでの遠近両用レンズは、レンズの側方を通して見ると物体がユレたり、歪んで見えるという弱点が残る設計でした。それがセット商品に使われているレンズです。それに対して物体のユレ、歪みの原因となる「収差」を大幅にカットし、レンズの隅々までスッキリと見えるように装用者一人一人の目の個性に合わせた付加価値の高い設計のレンズがあります。現在はどちらのタイプのレンズも流通していますが、快適な見え方は人さまざまですので、かならずしもハイスペックなレンズがすべての装用者に満足されるとは限りません。遠近両用メガネを購入されるときは、テストレンズで、遠方、中間、近方の見え具合を実際に体験され、比較されることが肝要で、こういうことをきちっと行っている店を選ぶことも大切です。価格のみで判断されず、遠近両用メガネを調製する高度な眼鏡技術者の在籍するメガネ店でご相談下さい。
嘘つき広告を止めさせて欲しい (07月05日)
【相談内容】以前にも購入した店で、チラシ広告に「本日から14日間限り、店内フレーム全品 50〜90%OFF」となっていたが、お店に行ったら、いつもと同じ値段だった。苦情を言ったらチラシの価格は割引きされた価格とか言って、はぐらかされた。こういうおとり広告というか、嘘つき広告は止めさせて欲しい。
 
【アドバイス】景品表示法でいう「おとり広告」とは、その商品が実際には購入できないもの又は販売できない商品である場合、販売する意思がない場合、販売量・販売期間が限られているのにそれが明記されていない場合いずれかに該当し、消費者に誤認を与えるような紛らわしい広告のことです。具体的には、チラシ広告などで宣伝した商品が実際には店内になかったり、広告と実物との間に品質や規格・形態・価格で差があったり、正当な理由がないのに広告商品を販売しなかったりする場合であり、公正な競争を阻害する恐れがある不当な表示として規制されます。消費者が誤認する恐れがある内容の広告・チラシを表示するのは各店舗の商道徳におけるモラルの問題です。そこでメガネを購入する際は、メガネ店選びの判断基準として、『メガネの適正表示ルール』を遵守し消費者とメガネ店とを結ぶ信頼の架け橋となる眼鏡公正取引協議会の会員店にご相談下さい。
老人会対象のメガネ相談会は? (06月01日)
【相談内容】メガネ店から「老人会会員を対象に、メガネの簡単な修理(ネジ締めなど)やかけ具合の調整のほか、度数検査も無料で行う。また、メガネが欲しいという人からは注文も受けるということで、日時、会場を決めてメガネ相談会を聞きたい」という申し入れがあった。老人会の会長は店の責任者と会い、申し入れに応じる考えでいるが、老人会事務局としては、もしトラブルがあった場合は困ると思っている。例えば、家族の方は老人会の紹介だからと安心して行かせたら、必要がないのにメガネを注文したということがあったら、老人会にも責任の一端があると思うので、こういう相談会はどうなのか聞きたい。
 
【アドバイス】メガネ相談会の内容がメガネの無料修理、調整、度数検査だけに止まらず「メガネが欲しいという人からは注文を受ける」と明言しておりますので、これは訪問先で商品(権利、役務を含む)の販売活動を行う小売形態である「訪問販売」に該当します。「訪問販売」とは、販売業者又は役務提供事業者が営業所等以外の場所において売買契約の申し込みを受け、若しくは売買契約を締結して行う指定商品若しくは指定権利の販売又は役務提供契約の申し込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して行う役務の提供のことです。消費者の権利として例外を除き訪問販売において、業者に契約の申し込みの撤回又は解除(クーリングオフ)を行うことができますが、売買契約におけるトラブル発生を事務局側がご心配なさるのは当然のことと思います。もし、メガネ購入の希望者がおられる場合は、後日、メガネ店へご家族又は付き添いの方と共に赴いて、購入するようなシステムをメガネ店とご相談されてはいかがでしょうか。
歪んだメガネが原因で視力が落ちた (05月24日)
【相談内容】見え具合を直したメガネを使っていたが、目が疲れるし、視力が落ちたのでおかしいと思っていたら、直したメガネが歪んでいることに気付いたので、メガネ店に苦情を言ったら、「視力が落ちたこととメガネとの因果関係について、証明できるか」と言われた。合わないメガネを使えば、目がおかしくなるのは当然と思うが、私の言い分は間違っているか。
 
【アドバイス】メガネの顔への掛かり位置と見え具合には非常に深い関係があります。レンズを加工しフレームにセットするとき、レンズの中心と装用者の目の中心を合わせます。そして、そのレンズ後面(後頂点)と目(角膜)までの距離は12o 、フレーム(枠)の前面傾斜角は遠用(近視)メガネ10°〜 12°、近用(遠視)メガネでおよそ20°、遠近両用メガネで12°〜 15°という約束事があります。また、屈折異常の種類が乱視であれば軸と呼ばれる矯正のために必要な角度の方向がメガネ装用者各自で違いがあります。そのためメガネフレームが歪んだ状態で装用していると不自然で不快な見え方になることもありますが、歪みの箇所などにより感じ方はさまざまです。ですから明らかにメガネの歪みが原因であるなら購入されたメガネ店でメガネの調整をしてもらい、しばらく装用して様子をみていただきます。それで見え具合が改善されれば、単純にメガネにおける歪みの問題で解決されますが、その後も改善されないようであればレンズの処方度数に問題があるか、または何らかの眼疾患の疑いも考えられますので、お近くの眼科診療所でご相談されることをお勧めいたします。
割引商品なのだからメッキ剥げは想定内? (04月05日)
【相談内容】チラシ広告に出ていたフレーム20,000円+レンズ42,000円=62,000円のところ15,000円に割り引きのメガネを1年前に購入したが、フレームのメッキが剥げてきたので、メガネ店に言ったら、店は「その値段(15,000円)で買ったのだから、想定内のことだろう」と、取り合ってもらいない。安く買ったら不良品でも苦情は言えないのか。
 
【アドバイス】メガネフレームの外装仕上げには大別すると、@電着メッキA塗装メッキBI P(イオンプレーティング)と3種類あります。メッキ塗装の仕上がり具合を強い順に並べるとIP>電着メッキ>塗装メッキとなりますが、一般的に1年以内の通常の使用でメッキや塗装が剥離するケースは少ないと思われます。長期間使用による経年劣化のメッキ剥離または塗装剥離を除いて、短期間での事故発生の原因として考えられるのは、メガネ装用者の汗、整髪料、肌クリーム等や使用環境の特殊な事情(例えば、頻繁に汗をかくような状態での使用や、温度差の激しい場所での使用)などです。メッキ剥げを防ぐには、@日常、メガネフレームを丁寧に取り扱うよう心掛けること。(接触によるキズや擦りキズ、または温度変化によるメッキ剥離防止)Aこまめな洗浄(例えば、薄めた中性洗剤で汚れ部分を洗浄し、その後水洗いする)は、フレームに悪影響を与える不特定多数の様々な要因を取り除きますので、フレームのトラブルを防止する有効な方法の一つです。但し、今回のケースのように1年でメッキ剥離についてはフレームが割引商品だからとか安価な商品だからでは説明が付きません。販売店を通されてフレームをメーカーへ送って、今後の品質の管理・改善を促され、納得のいく対応をご相談されてはいかがでしょう。メッキが剥離したメガネを装用し続けると汗の酸とフレーム金属の反応により接触性皮膚炎を引き起こす原因にもなりますのでお取り扱いに十分ご注意下さい。
フレームの保証期間は? (03月01日)
【相談内容】遠近両用のメガネを購入して、半年後にフレームの熔接部分が破損し、購入店に修理をお願いしたが、修理料を請求された。メガネは毎日使っているが、乱暴に扱った覚えはなく、半年くらいで破損してしまうのは欠陥商品ではないか。家電などの他製品のように、フレームの保証期間は定められているか?
 
【アドバイス】フレームの保証期間は1年から最長3年までとメーカーによってさまざまです。保証期間中に通常の使用状態において、錆びやロー離れ等の故障が生じた場合には、たいていフレーム修理は無償で行われますが、通常装用以外での取扱いミスや事故等による破損、キズ、樹脂パーツ、表面処理については保証期間内であっても有償修理となることがあります。
メガネ店が閉店してしまったらどうすれば? (02月02日)
【相談内容】メガネのフランチャイズ店で半年前にメガネを購入。子供(中学生まで)は視力が変わりやすいので、無料でレンズ交換をするサービスをしており、そのサービスを受けようとしたところ閉店していた。チェーン店本部に問い合わせたところ、前の店よりかなり遠い他県の店を紹介されたが、子供に親も同行したら、交通費がレンズ代よりも高くなってしまう。こういう場合、泣き寝入りするしかないのか。サービスは結果的には嘘だったということになるのではないか。本部に責任はないのだろうか。
 
【アドバイス】「レンズ交換無料」を販売文句(サービス)として保証している以上、その企業にはお客様に対してレンズ無料交換を実施する義務と責任が発生します。一般常識の範疇から他県の店を紹介する事自体が義務と責任を放棄したと捉えられても反論の余地はありません。一方的な契約の不履行と捉えることができるでしょう。企業側に対して考えられる可能な限り常識的な方法で契約を履行してもらうようご相談下さい。
メガネの購入代金は前払いが普通? (01月11日)
【相談内容】大手メガネチェーン店でメガネを購入の際に、10日後位にメガネをお渡しするが、代金は前払いと言われた。品物を手に入れてから代金を支払うのが普通なのではないかと言ったが、当店では前払いが決まりだと言われたので前払いしたが、どうも納得いかない。一般的にメガネ店では前払いなのか?
 
【アドバイス】レンズの度数や種類にもよりますが、仕上がりに日数の掛かるメガネレンズの多くはオンラインを利用してのオーダーメードとなります。そのためメガネ店が一旦レンズメーカーへレンズ製作の注文を入れると通常はキャンセルすることが困難となります。そこでメガネ店では通常メガネ代金の一部を前受金(手付金)としてお預かりするのが慣例となっています。すべてのメガネ店が「前払いが決まり」と云う訳ではありません。そこは各メガネ店独自の判断に委ねられることとなります。支払いにおける決済は売り手、買い手の両方にとって重要なことですので、お互いが納得できるようご相談下さい。
度が合わないメガネの作り直しは無料?有料? (12月09日)
【相談内容】レンズ換えした際に、お店から度が合わなかったら作り直すと言われた。2か月位掛けていたが、度が合わなかったので、作り直しをお願いしたら、料金は折半と言われた。作り直すと言われた時は、合わないのは店の責任だから、てっきり無料だと思っていたが、店では無料で直すとは言っていないと言っており、それなら、作り直しは料金負担をお願いすると最初に言うべきではないのか。
【アドバイス】メガネレンズの再作が無料か有料かについては各店独自の保証内容により違いがあります。保証書に保証内容が明記されている場合を除き、口頭での約束については効力が薄いので必要であれば保証内容が記載されたものを受け取られたほうが良いでしょう。メガネの購入はお近くの「信頼」(認定眼鏡士が在籍していること)「信用」(眼鏡公正取引協議会の会員であること)「安心」(日本眼鏡安全協会の製造物責任保険に加入していること)の日本眼鏡販売店連合会認定店にご相談下さい。
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