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メガネの原産国表示 Q & A

数年来、特に19年は食品をはじめとして消費者の原産国への関心が強くなってきておりますが、このような社会的要請に適応するようにメガネの原産国表示に関する規約(第4条第2項)ほかが改定されて、3月7日から施行されています。今回、改定された原産国表示について、ポイントをQ & Aで紹介します。

Q1

眼鏡類の表示に関する公正競争規約(規約)第4条第2項を改定した背景事情を教えてください。

A

かつては、国産品であるにもかかわらず、あたかもヨーロッパ製品のように見せかけることが問題の多くを占めていました。しかし,最近では、ヨーロッパ以外の製品が著しく増加するとともに、国産品と紛らわしい輸入品も見受けられるようになっています。
 このような状況に対応して、従来は「輸入品及び輸入品と誤認されるおそれのある国産品」を原産国表示の対象としていたところ、輸入品、国産品ともに原産国が誤認されるおそれのある製品に原産国表示をすることになりました。

Q2

原産国を表示しなければいけないのはどういう場合ですか。また、原産国を誤認されるおそれのある表示について、具体的にどういうものがあるのか判断基準を説明してください。

A

製品に付された、原産国を想起させるような何らかの表示により、原産国を誤認されるおそれがある場合には、原産国を表示しなければなりません。具体的には、眼鏡類の表示に関する公正競争規約施行規則(施行規則)第27条に詳しく記述してあります。原産国を誤認されるおそれのある表示の一例を挙げると、国産品については外国の文字で表示してあるもの、輸入品についてはその原産国が判別しにくいもの、例えば、A国製品にA国語以外の文字や他国の国旗等が表示されているようなものが該当します。

Q3

眼鏡用フレームの原産国の表示方法は変更されたのですか。

A

原産国の表示方法は、眼鏡類の表示に関する細則によって、従来は「本体に刻印又は印刷することにより表示するものとする」と規定されていましたが、今回の改定では、現流品のうち、原産国を誤認されるおそれのあるものや、輸入品で既に原産国が本体表示されている場合等を考慮して、ラベルやタグ等でも表示できるように「本体に刻印、印刷又はラベル若しくはタグ等を添付することにより行うものとする」と規定しました。
 以上の説明でお分かりのように、原産国の表示方法は本体への刻印又は印刷を原則としています。今回の細則の改定は、上記のような現流品や輸入品があることを想定して改定したものです。

Q4

在庫品(現流品)の原産国表示に関する注意点を教えてください。

A

今回の改定で、「実質的な変更をもたらす行為とは、フロント及びテンプルの製造をいう。」(施行規則第14条第2項第1号)と明確に規定されましたので、原産国について一般消費者に誤認されるおそれのある表示(Q2参照)が行われている在庫品については、ラベル又はタグ(下札)等によって原産国を明りょうに表示してください。
 なお、原産国名の判別が困難な場合には、それぞれの事業者において、原産国を取引先に確認して表示してください。

Q5

チラシについては、これまで原産国表示を見かけることは少なかったようですが、これからは原産国表示をしなければいけないということですか。

A

規約第7条に規定されているとおり、今までも、輸入品及び輸入品と誤認されるおそれのある国産品については原産国表示が必要でした。今回の規約改定において実質的な変更行為の規定が明確になりましたので、チラシについても、販売価格を付した広告を行うときであって、原産国について一般消費者に誤認されるおそれのある表示(Q2参照)が行われている場合には、原産国を表示する必要があります。

Q6

店頭の表示についてもチラシと同じように考えるということになりますか。

A

陳列している商品についても、原産国について一般消費者に誤認されるおそれのある表示(Q2参照)が行われている場合には、原産国を表示する必要があります。原産国が誤認されるおそれのある商品については、ラベル又はタグ(下札)等によって原産国を表示してください。

Q7

現在、店頭に陳列しているフレームで原産国表示がないものはどうしたらよいでしょうか。

A

フレームに付された、原産国を想起させるような何らかの表示により,原産国を誤認されるおそれがある場合には、そのままの状態で販売することは規約に違反することになります。原産国名の判別が困難な場合には、仕入先に問い合わせ、ラベル又はタグ(下札)等で表示してください。

Q8

チラシ広告や店頭において原産国表示をしないと規約違反として措置されますか。

A

公取協会員が一般消費者に原産国を誤認されるおそれのある眼鏡用フレーム、眼鏡用レンズに原産国表示をしない場合、規約第15条(違反に対する調査)、第16条(違反に対する措置)、第17条(違反に対する決定)の規定に基づき対処されることとなります。
 非会員の方の場合は、眼鏡用フレーム、眼鏡用レンズについて、原産国を想起させるような何らかの表示が付されている場合に、その眼鏡用フレーム、眼鏡用レンズがその原産国で生産されたものであることを一般消費者が判別することが困難と認められる場合には、不当表示として問題となります。このような場合には公正取引委員会に情報提供を行い、必要な措置を求めることになります。